「結縁灌頂」(けちえんかんじょう)とは、誰でも金剛・胎蔵の諸仏と縁を結ぶことが出来る灌頂で、仏様の世界を表す曼荼羅にお花を落とし「仏縁」を結ぶ儀式です。
(高野山金剛峯寺の資料より)
高野山金剛峯寺・金堂での約1時間の神秘的な体験は・・・
根本大搭で入壇料1人3,000円支払い、受付番号札を頂く。
入場まで40分の時間待ち、両手が使えるようにと荷物を預ける。
13時15分からの部に30人程が金堂の回廊に2列に並び、左腕に掛けるようにと、大日如来のお姿が朱印された巾10cm長さ70cm程の白い紙が渡された。
この紙は一体何に使うのか???
行燈・ろうそくの光の薄暗い金堂の中に案内され、身を清める香を手のひらに頂く。
皆で「南無大師遍照金剛」を唱和するうちに阿闍梨様が登場され、懺悔・三帰・三竟・十善戒のお経を唱えられる、後に続き唱和する。
障子の衝立で仕切られた隣の部屋から、三昧耶戒真言「おん さんまや さとばん」を唱える声が高らかに聞こえてくる。
阿闍梨様はお説教の後退場される。
次の間に移り、印を結び(両手のひらを合わせて右親指が上になるように結び、中指を立てる)「おん さんまや さとばん」を唱え続ける。。。。。
ここで、前述の長い白い紙で両目を覆われる・・・何も見えない、少し不安に・・・
10人程で、印を結んだ指を前の人の背に当て数珠繋ぎ(?)で「おん さんまや さとばん」を唱えながら少しずつ前に進む・・・前の人から離れたら立ち止まり、係の僧侶を待つようにと説明されていた。
ダンナが後に続かない・・・離れてしまった様子。
暗闇の中「おん さんまや さとばん」を唱えながら、前の人から離れないように摺り足で必死に進む。。。。。
立ち止まり、印を結んだ中指に花が挟まれた!!
僧侶の案内で、曲がったりしながら何歩か進んだ所で再び立ち止まり、仏様の御前であろうか・・・「手を伸ばして花を落すように」と・・・
目を覆っていた紙を外して見ると、見事に壇上の胎蔵界曼荼羅中央・大日如来の上に花(しきび)が・・・
これで私は目出度く大日如来とご縁が結ばれたのです。(投花得仏)
次に、小さく仕切られた所で、阿闍梨様がお座りになっている御前の椅子に座り、如来の智慧の水を注いで頂きました。(灌頂)
隣に控えていた僧侶が鏡を差し出し「これが灌頂を受けられた今のお顔です」と・・・
薄暗いしメガネは外されていたので良く見えなかったが、頭に臙脂色(?)の角い帽子のような物が載った私の顔が・・・仏様のような穏やかな顔であったかどうか???
空海(弘法大師)は若い頃に唐の青龍寺で灌頂を受けられ、胎蔵界曼荼羅中尊の大日如来に、また金剛界曼荼羅でも大日如来に投花されたという。
「花は何処に落ちた?」とダンナに尋ねると「中央に落ちた!」と・・・二人共、上手く中央に落ちたとも思えないのだけれど、お大師様のお力でそうして下さったのだと有り難く思う。
胎蔵界・結縁灌頂血脉、花(しきびの葉)、目を覆った紙を授かり、仏様にそっと包まれたような気分で金堂を出ると新緑と日の光が眩しかった。
荷物預かり所のテントの中で、僧衣姿の高野山高校・僧侶の卵(?)さんが、入壇中の方から預かった赤ちゃんを、あやしながら子守りしている微笑ましい姿が・・・。
10月1日〜3日迄の秋季結縁灌頂(金剛界)も入壇したい。
「秋にまたお参りしよう」とダンナに言ったが、返事は「・・・・・」であった。
仏様とご縁を結んだ事を何時も心に留め、日々を送れればと思います。
(5月5日)
(総本山金剛峯寺HP http://www.koyasan.or.jp)